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いきいき菜園生活

「甘長トウガラシ」の栽培について

2022年04月 Vol.241

園部黒田支店生産課 安川 清治

トウガラシの仲間には、辛みが強いものから弱いもの、辛くないものなどいろいろあります。
このうち、辛みが弱く食べやすい「甘長トウガラシ」について紹介します。
栽培は5月上旬の定植から10月頃まで長期にわたります。

甘長トウガラシ

1 ほ場の選定

連作障害による生育不良を回避するため、ナス科作物を3年以上作付けしていない場所を選びます。
連作になる場合は、接木苗を植えましょう。
また、草丈が1mぐらい伸び、枝や葉が繁茂しますので強風にさらされない場所を選びます。

2 ほ場の準備(1㎡あたりの施用量)

定植の1か月前までに完熟堆肥2kgを施して深耕します。
定植の2週間前までに苦土石灰100g、BMようりん60gを施して深耕します。
その後、元肥として緩効性肥料100g、化成肥料40g、油粕100gを施して、幅70~80㎝、高さ30㎝のうねを立てます。

雑草を防ぎ、地温の暖め効果と、アブラムシ飛来抑制のためシルバーストライプ入り黒マルチ(ムシコンマルチ)を利用します。
マルチは、降雨後か、かん水をして土が湿っている時に敷きます。

3 定植

露地栽培では、晩霜の心配がなくなる頃に定植します。
マルチングから1週間頃の天気の良い日の午前中が好ましいです。
株間50~60㎝間隔の1条でマルチに穴を開け、定植穴を掘ってから、ひしゃく1杯の水を溜めます。
ポリ鉢から根鉢を崩さないよう取り出し、浅植えを心がけながら土を寄せるように埋めていきます。
長さ30㎝の竹串などで斜めに仮支柱を立て、主枝と仮支柱をひもで8の字にくくります。
マルチ穴にもみがらを盛ります。
土の乾燥を防ぐのと、泥のはね返りを防ぐ効果があります。
定植後は、天気が良い日の夕方、水を株元にやります。

定植

4 害虫対策

アブラムシ

暖かくなると発生する害虫です。
定植穴に登録のある殺虫剤を混和しておくことで発生予防の効果があります。

タバコガ類

夏季に発生する害虫です。果実に穴を開けて中で産卵します。
の開いた果実は、放置しないよう踏みつぶすなどして捕殺します。

5 獣害対策

獣害対策が必要です。
定植後、鹿による食害が発生しないよう、ほ場周囲は鹿除けネットや漁網などを設置します。

6 排水対策

根が弱いので、強雨による冠水が最小限となるよう排水を良好にしておき、滞水しないようにしておきます。

7 わき芽取り

一番花の下のわき芽は早めに摘み取ります。

8 支柱立て

定植後、1か月ほど経ってから、仮支柱を抜き取り、本支柱を主幹から5~7cm離れたところに約1.5mの支柱を立てます。
ひもでゆるめに主幹と支柱を8の字にくくります。

9 整枝・誘引

1番花から上は放任とします。側枝を伸ばし主枝とし、4本仕立てにします。
支柱からひもでつり下げ、誘引します。草丈が支柱の高さを超えたら、摘心します。
日当たりと通気性に努め、繁茂してきたら混みあっている側枝を切除します。

整枝・誘引

10 水やり

梅雨明け後は、気温が上昇しますので、かん水を多く必要とします。
降雨時は、マルチの両肩をめくります。
土壌水分を維持することで、果実先端部に発生する「尻腐症」が軽減できます。

11 追肥(1㎡あたりの施用量)

収穫が始まったら、マルチの両肩をめくり、追肥をします。
10~14日間隔で化成肥料30gをうねの肩にまき、マルチは元通りかぶせます。

12 収穫

果梗部かこうぶの湾曲した部分に人差し指を添えてもぎ取ります。

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