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農チャンネル

2018年07月 Vol.196

収量、品質を追求しビール大麦を栽培

営農部亀岡広域営農センター


大型コンバインを使った収穫作業。今年は5月28日から始まった

府内唯一のビール大麦の産地亀岡では、ビール会社と契約を結び、高品質のビール大麦の生産に取り組んでいます。

裏作、転作作物として発展

国内では数年前よりクラフトビールや地ビールの醸造がブームになっています。その原料となるビール大麦を府内で唯一生産しているのが亀岡です。

「亀岡で麦が作られるようになったのはずいぶん昔のこと。米の裏作として栽培されていた中で、今では転作として作られるようになり、一大産地が形成されました」と営農部亀岡広域営農センター指導販売係の能瀬伸昭係長は話します。

その実績が大手ビールメーカー、キリンビール株式会社とのビール大麦の契約栽培に発展しました。現在は年間約150tを目標に生産しています。

大区画ほ場で大型農業機械を使って栽培

ビール大麦は、9つの営農組織が栽培されており、亀岡全域93ha、そのうち約33・2haを栽培しているのが農事組合法人河原林です。「国営農地再編整備事業の実施をきっかけに、従来からの7つの農家組合を組織化して設立した法人です」と同法人の加藤邦廣代表理事は話します。

同法人は、大区画のほ場で、大型農業機械を導入し、水稲、ビール大麦、小豆などを主要品目としてブロックローテーションによる農地の効率的な調整を確立しています。ビール大麦は、11月中旬に播種し、翌年5月下旬に収穫をします。同法人では、播種作業は各農家組合に任せ、収穫はオペレーター部会が行っています。

「播種を短期間で行い、麦の生長がそろうことで、無人ヘリ防除などの作業を適期に一斉に行えます。刈り取りは法人の大型農業機械を使って迅速に適期収穫を行うことで、高品質なビール大麦を出荷しています」と加藤代表理事は話します。

加藤邦廣代表理事
加藤邦廣代表理事

平成25年にサチホゴールデンに変更

ビール大麦で大切なのはタンパク含量です。おいしいビールのタンパク含量の適正値は10~12%と言われています。そのためにJA、普及センターが中心となり、栽培指針の確立を進め、それをもとに技術指導も行っています。また品種も、当初のアサカゴールドから、平成25年にサチホゴールデンに変わりました。この品種は栃木県農業試験場栃木分場で育成された品種で、高品質、多収性があり、麦芽品質も総合的に優れています。

「今後は、ほ場の中でブロックローテーションからビール大麦に合ったほ場を固定化し、収穫量・品質を向上させ、亀岡全体として産地規模を拡大していきたい」と加藤代表理事。能瀬係長は「ビール大麦はここ近年では収穫量が横ばいですが、気象条件の変動などにより減収する年もあり、契約の150tに届かない年もあります。今後、亀岡管内の集落営農組織にも生産拡大をすすめていく必要があると考えます」と言います。

能瀬伸昭係長
能瀬伸昭係長


営農部亀岡広域営農センター
〒621-0023
亀岡市曽我部町寺西川1-1
TEL.0771-29-5723

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