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困ったときは
京うり

京の産品図鑑

京うり

2007年07月 Vol.64

購入場所

京都市内の小売店で一部販売(基本的には京漬物に加工され販売)

生産者、農作業

栽培の基本は、摘果、摘葉、芽掻きをこまめにすること

うりは、奈良漬けや浅漬けなど、この時期の京漬物の食材には欠かせない産品です。お中元シーズンに需要のピークを迎え、昨年は約2100箱(約8本/箱)を出荷しました。

うりはマイナーな野菜なので使える農薬が限られており、それを補う形で資材や手作業による病虫害の予防を行っています。アブラムシにはシルバーテープを、ハエなどには粘着テープを使う他、うどんこ病などの病気にかからないように、摘果や摘葉、芽掻きを徹底しています。ほとんどが手作業なため、「安全・安心」という意味では間違いありませんよ! また、うね幅が広いこともうり栽培の特徴の一つ。放っておくと枝葉がどんどん横へ広がっていく習性があるので、うね幅は広めにとっています。

収穫時の色を均一にすることも大切な仕事です。日の当たらない箇所は白くなってしまい、その分商品価値も落ちてしまいます。結実してから収穫までの約2週間は、特に摘果や摘葉、芽掻きを通して、周辺を常に良好な状態に保たなくてはいけません。

うりは、浅漬けなら“パリパリ”の食感が楽しめますし、軟らかく煮てからあんかけ仕立てにしても“とろっ”としていておいしいですよ。

産地

篠かぶら(聖護院かぶら)の裏作として定着

当初は個人での栽培・出荷でしたが、近年は特産の篠かぶらの裏作として定着し、篠支店での集荷が行われています。平成16年には京野菜部会篠支部京の瓜部会が発足しており、現在の規模は生産者数12人、作付面積120アール、平成18年度の出荷量は99トンでした。また売上に関しては、京漬物としての「うり」の認知度や京都市場での評価が高まってきたことから、昨年は前年比30パーセント増の伸びがありました。今後は生産者への栽培記録の徹底と、昨年5月に施行されたポジティブリスト制度に伴った適切な指導を推進しながら、京野菜部会女性部篠支部による販促活動も計画しています。

収穫までの流れ 京うり(篠管内の場合)

4月 中旬 接ぎ木苗購入、育苗管理
基肥、畝上げ
下旬 定植、摘果、摘葉、芽掻き、かん水
6月 上旬 収穫
8月 中旬 収穫終了

おすすめの一品

福知山市ヒロコクッキングスクールさん直伝
京うりとお豆腐の和風サラダ

  • 材料(4人分)
    • 京うり 1本
    • 海老 8尾
    • わかめ 少々
    • 絹こし豆腐(350g)1丁
    • (A) 練りゴマ大さじ1、白みそ大さじ1.5、塩小さじ1/3、さとう大さじ1.5、淡口しょう油小さじ1/2、みりん小さじ1、酢大さじ1
  • 作り方
    1. 京うりはたて半分に切り、種をスプーン等で削り取り、うす切りにして塩を少々ふりしばらく置く。
    2. (1)の水気を絞り、沸とうした湯にさっと通して冷水にとり、冷えたら水気を絞っておく。
    3. 海老は皮付きのまま背ワタを取り、(2)の湯で茹でて、冷めてから皮をむき、1センチのぶつ切りにし、わかめもさっと湯通しして水にとり、食べやすく切る。
    4. 絹こし豆腐はタオルに包んでまな板等の間にはさんで斜めにして1時間置き、厚さが1/2になる位に水気をしっかり抜いて、フードプロセッサーに(A)と共に入れなめらかな白酢衣を作る。
    5. (4)を皿に敷き、(2)(3)を見栄え良く盛る。

ひとくちメモ

京うりは漬物として利用されることが多いですが、今回は和え物として使ってみました。塩をしてからさっと茹でると色がとてもきれいできゅうりなどにはないパリパリとした歯ごたえが楽しめます。フードプロセッサーで豆腐の衣を作るとなめらかでいくらでも食べられそうです。一番美味な中サイズでぜひお試しください。

伴みずほ先生の京うりのココがすごい!


伴 みずほ
京都短期大学講師
(管理栄養士)

みずみずしい食感と爽やかな香りの京うりは、だんだんと暑くなるこれからの時期にぴったりの淡色野菜です。京都では古くからあさうりと呼ばれ珍重されてきた夏野菜で、淡白な味わいから濃い味の漬け物として利用されることが多く、シャキシャキとした歯ごたえの良さが食欲を増進させます。目立った栄養成分はなく、抗酸化活性およびポリフェノール含量とも低いですが※2、緑黄色野菜よりも免疫力を活性化させる力が強いと言われています。お漬物以外にも汁物やサラダなど色々なお料理に活用してみましょう。

主な成分※1(果菜類ウリ科、生100g中)
  京うり(しろうり、あさうり) きゅうり とうがん にがうり へちま
カリウム(mg) 220 200 200 260 150
カルシウム(mg) 35 26 19 14 12
マグネシウム(mg) 12 15 7 14 12
β-カロチン(μg) 65 330 0 160 44
ビタミンC(mg) 8 14 39 76 5
  • 1 五訂増補 日本食品標準成分表
  • 2 山梨県工業技術センター研究報告
        
    20,101-104(2006)参照