紅梅(こうばい)・山吹(やまぶき)・二藍(ふたあい)・檜皮(ひわだ)・蘇芳(すおう)…。古典にあらわれる色には植物の名から付けられたものが多いようです。浅葱(あさぎ)や萌葱(もえぎ)というのもあり、浅葱は空色、萌葱は薄い緑色のこと。どちらもねぎの葉の色から付けられました。枕草子や源氏物語にも登場する色ですから、もうその頃には京の都の周辺では、ねぎが作られていたのでしょう。
江戸時代になって九条の辺りで品質の良いものが栽培されたことから、「九条ねぎ」の名が付けられたといわれています。他のねぎと同様、すき焼きや煮物などいろいろな料理に使われます。食欲をそそる香りは薬味にするとよく分かりますし、ぬた和えなら心地よい歯ごたえを楽しめます。