くっきりとした縞模様に、美しく曲線を描いた尻尾。その名の由来が一目見て分かります。京の高級食材として知られるえびいもは、安永年間、青蓮院宮が長崎から持ち帰った里芋の種を、「いもぼう」(祇園平野屋)の祖先平野権太夫に栽培させたところ、出来たものと言われています。海老の形に仕上げるには、高度な技術と手間を要し、数ある野菜の中でも特に栽培が難しいとされています。
その苦労を知らずとも、一度えびいもを食べた人は、その独特の粘り気と奥深い味にたちまち虜(とりこ)になってしまうのだとか。10月下旬から収穫が始まり、年末には正月のおせち料理の食材として出荷のピークを迎えます。