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「果菜類の定植」 について

いきいき菜園生活

「果菜類の定植」 について

園部支店生産課 待田浩行

「果菜類の定植」について

野菜づくりは、スタートが大切!
おいしい野菜づくりは、天候に合わせて育てることです。まず、お住まいの地域の栽培適期を確認して定植を進めましょう。夏の果菜類の定植のコツは、①いい土づくり、②上手なタネまき、③苗の植え方がポイントです。

1.いい土づくり
(2024年12月号に掲載した内容を再度ご覧ください)

土の中には、微生物が活動(分解)しており、堆肥、有機質肥料を野菜の根っこから養分として吸いやすい状態に変えます。畝の向きは、南北方向に沿って日(太陽光)が当たり、畝幅は60cm、畝と畝の間は40cm程度空けて通路(畝間)をやや広めにとること。
また、土質によって、畝の高さを変えて水はけをよくしましょう。粘土質で水はけの悪い畑は、土を盛って周囲よりも1段高く(15cm以上)してトマト、ナス等、根を深く張らせたい場合に少し工夫を。なお、堆肥、元肥(有機質肥料、化成肥料)を散布して混ぜる時や、畝づくりをする時も、天気の良い日を選び、土が乾いている状態の時に作業します。雨が降った直後などの耕うんは、土を練ってしまい根の伸びが抑えられるため、生育も養分吸収も劣り、病気や虫の被害を受けやすくなりますので注意!

2.上手なタネまき

タネは、新しいものを使う

新しいほど発芽能力が高く、水分、空気、温度の3つの条件が揃うと発芽します。余ったタネは密封して冷蔵庫へ入れると寿命が延びます。

多めにタネをまいて間引く

タネは、1粒まきよりも多めにまいた方が競い合って発芽が揃い、初期生育も順調になります。発芽したら、生育が良いものを残して間引きます。(軸が太く大きな双葉が左右対称に開いたものが良い)

スジまきと点まき

スジまきは、板切れや棒を畝に押しつけて溝をつけ、タネを1粒ずつ一定の間隔でまく方法です。1~2粒間隔でタネを溝に落とし、土をかけたら手で押して鎮圧しておきます。一方、点まきは、一定の株間をとりながら、1か所に数粒ずつタネをまき、発芽後に間引いて1か所1株にします。

タネまき後の鎮圧で発芽が揃う

鎮圧するとタネと土が密着するため、タネが土壌水分を吸えるようになります。鎮圧の強さは、土の湿り具合で変えます。土が程よく湿っているときは、タネの約2倍の深さにタネを埋めてから体重をかけて手で鎮圧します。土がやや乾き気味の場合は、約3倍の深さに埋めて足でしっかり踏んで鎮圧します。

3.苗の植え方

よい苗を選ぶ

図2

植え付け前の給水

植え付け前に、水を張ったバケツやタライにポット苗を置き、根鉢の表面が湿ってくるまで底面から水を吸わせます。バケツから苗を出し、2~3時間日陰に置いて葉の先端まで水分を行き渡らせます。水をたっぷり蓄えた状態で植えるのがポイントで水やり不要です。3~4日すると水分を求めて自ら根を伸ばしスムーズに活着します。

植え付けの時期、時間帯

トマト、ナス等の夏野菜苗の植え付け適期は、5月の連休前後で霜害が比較的少ない時期です。本格的に暖かくなる時期を見計らい、晴れた日の午前中に植えます。冷えこみ対策として、アンドンで囲むと安心です。

植え付け作業

植え付け適期に合わせて畝をつくっておき、苗が準備できたら速やかに植えましょう。その場合、ポット内の根鉢の表面と畝の表面が同じ高さになるように植えることと、その植え穴と根鉢の間に隙間ができないよう土を戻し入れ、手で押さえて鎮圧しておきましょう。植え付け直後は、風で折れないように仮支柱を立てて、麻ヒモ等で苗の高めの位置でくくっておきましょう。

図3