「トマト」の栽培について
Vol.252
- 栽培特性
-
- ●生育温度は夜温13~18℃。8℃以下では幼花の発達が損なわれ、生長後変形果となるものがあります。低温期の苗作りでは特に温度管理が重要です。
- ●昼間の生育適温は26℃~28℃です。32℃以上になると花粉の機能が低下して着果不良となります。
- ●果菜の中では強い光を好みます。日照不足になると、軟弱・徒長となり、着果不良や生理障害の発生原因となります。
- ●品種は赤色、桃色、黄色など果実の色が違うものや、大玉、中玉、玉(ミニ)など果実の大きさが違うものなど沢山の品種があります。
栽培方法
苗作り
苗を作る場合は、育苗箱に苗用の培土を使い筋まきします。発芽した後に、葉が重ならない程度に間引きを行いましょう。本葉が出た頃に少し大きめの鉢(3号)へ移植しましょう。移植の際は深植えにならないよう注意が必要です。
購入した苗を使用する場合、苗は小さくても定植は可能ですが、被覆資材等を用いた防寒対策が必要になります。苗が小さくて心配な場合は、4~5号鉢に移し替えて大きくなるまで育苗することをお勧めします。
- 育苗のポイント
-
1~2花が咲き始めるまで育苗を行いましょう。小苗を直接畑に植えると、多くの場合早くから肥料や水を自由に吸収して栄養過多となり花が着果しない原因になったり、果実の形が悪くなったりします。
畑の準備
1株当たり、堆肥3~4握り、油粕大さじ4杯、化成肥料大さじ2杯を施用します。
- 畑の準備のポイント
-
元肥は溝を深く掘って施し根を深くしっかり張らせるように心がけます。窒素成分の効き過ぎは落花の原因となります。元肥と追肥は生育状態を確認し施しましょう。
植え付け
苗を植える際は倒れないように支柱を立てましょう。本葉が8枚~10枚の大きさになり、第一花房の第一花が咲き始めた頃より植え付けましょう。本葉が8枚~10枚出ていても、花や蕾の無い苗は植え付け後に「木ぼけ」する可能性があります。
わき芽かき
主枝や側枝から伸びたわき芽は随時、手で摘み取りましょう。ウィルス病が伝染する恐れがありますので、はさみなどは使わないようにしましょう。
摘心
収穫目標の最上段の花房の花が咲いたら、その上の2葉を残して摘心しましょう。
追肥
1段目の実が大きくなってから1回目の追肥を施しましょう。1株当たり、化成肥料大さじ1杯または油かす大さじ2杯が目安です。第2回目以降は生育状態を確認し1回目の追肥以後は20日おきに行いましょう。