落ち葉堆肥の作り方
Vol.164
日に日に寒さが増してきました。グッと気温が下がるこの季節、菜園の秋冬野菜たちは低温に遭遇しながら糖度を増し、収穫されるまでにその“おいしさ”を凝縮していることでしょう。
(企画営農課 主任 堀井 俊輔)
今月はその“おいしさ”の素になり、菜園の活力の素にもなる「落ち葉堆肥づくり」についてご紹介します。
堆肥を施用する理由とその効果
植物が養分を吸収することができるのは、根の周りの限られた一部です。
土中の肥料分をより有効に吸収させるためには、根の周りの微生物を上手に利用し、広範囲の養分を根が吸収することができるよう、土壌の団粒化を図り、微生物を活性化させることが大変重要です。
(詳しくは本紙2014年12月号を参照してください)
「落ち葉堆肥」に適する落ち葉の種類
【落ち葉堆肥に適する落ち葉】ケヤキ・コナラ・クヌギなどの広葉樹
【落ち葉堆肥に不向きな落ち葉】イチョウ・サクラ・クスなどの広葉樹、スギ・ヒノキ・マツ・カヤなどの針葉樹
- 不向きな落ち葉には、水分や樹脂が多く腐りにくい性質があり、含まれる成分に植物の発芽や生育を抑制する物質を含む場合があります。
「落ち葉堆肥」の作り方
「落ち葉堆肥」とは、その名の通り、落ち葉を積んで発酵させたものです。落ち葉に米ぬかや油粕などの有機質肥料を加えて発酵を促進させたもので、肥料分を少し含んだ堆肥として菜園で使用することができます。
【落ち葉堆肥の作り方】
- 壁を利用したり、ベニヤ板でコの字型の囲いをしたりして、堆積場を作る。
- 落ち葉を20cm程度の厚さに積む。米ぬかや油粕など(落ち葉の重量の1~2%)をサンドイッチ状に積み重ね、水をたっぷりまいて踏み固める。
- 踏むとしみ出してくる程度の水をまく。
- (2)~(3)を繰り返して、1mくらいの高さに積み上げる。
- 雨よけのために、ブルーシートで覆う。
- 1か月ごとに3~4回切り返す。
- 落ち葉がボロボロに崩れてきたら(1年程度)完成。