前年作の反省と今年作の栽培計画
Vol.166
新年、明けましておめでとうございます。今年も元気に、家庭菜園を通じて“健康な1年”をお過ごしください。
今月は『前年作の反省』をテーマに、前年の家庭菜園を振り返ることで、春から始まる今年の家庭菜園の栽培計画をイメージしていただきたいと思います。今年もよろしくお願い申し上げます。
(企画営農課 主任 堀井 俊輔)
昨年の反省を次作に活かす
野菜づくりでは予想外のトラブルに遭遇します。
以下の項目に該当することがあれば、参考にしてみてください。
トラブル遭遇【ケース1】
下葉が枯れる
役目の終わった葉が枯れるのは植物本来の姿ですが、実を収穫する前から枯れるのはSOSのサインです。
病気や虫害が原因のことが多いですが、土づくりと肥培管理の改善が必要な場合もあります。
トラブル遭遇【ケース2】
実がつかない、花が落ちる
茎が太く、葉が茂っているのに花が少なく、実がつかいない。こんなことはありませんか?
実を食べる野菜に共通の「木ぼけ」、サツマイモでは「蔓つるぼけ」が一因です。
これらの症状は肥料(とくに窒素肥料)をやりすぎた場合によく見られます。元肥を少なめにして、その分を追肥として補う肥培管理に変えてみましょう。
トラブル遭遇【ケース3】
急にしおれる
曇雨天の後、急に晴れると葉からの水分蒸散が盛んになり、根からの水分吸収が追いつかない場合によく見られる症状です。
しばらくすると回復するのは生理現象の一種、朝晩のみ回復している場合( 日中はしおれっぱなし)の場合は病気の可能性があります。
このような症状が続いたら、営農指導員にご相談ください。
トラブル遭遇【ケース4】
とう立ち
ブロッコリーや花菜などを除き、葉菜類や根菜類では収穫前に“ とう立ち”すると、食するには不向きになります。
“とう立ち”は気温や日長の影響が大きいため、品種や栽培時期の適性を調べる必要があります。
トラブル遭遇【ケース5】
す入り、また根、裂根など根の障害
根菜類は土の影響が大きいので、特には種前の土づくりを丹念に行いましょう。
本誌2014.12月号でも紹介した「団粒構造」を持つ土が良いでしょう。
収穫サイズにならなくても、太りすぎて裂根が起きる前に収穫を始めることができるのが、家庭菜園のメリットです。