「小菊」の栽培方法
Vol.204
育て方ポイント
1.挿し芽(3月頃)
挿し芽には、水はけのよい山土、川砂、パーライトなどを使います。育苗箱に挿し芽用の土を入れ、十分かん水します。挿し芽は、切下株の摘心後、伸びた若い側芽を長さ5~10cmで折り取り、下葉を2~3枚除き、長さをそろえて水揚げをし、葉が触れ合わないくらいの間隔で、品種ごとにスジ条に挿します。挿し芽後は十分かん水し、ビニールなどでトンネルをして湿度を確保するとともに、強い光が当たって萎れないように、遮光資材をトンネルの上に掛けましょう。
2.定植準備
定植の2 週間前に施肥・畝立てを行います。畝は幅約140cmに立てます。雑草の発生防止にマルチを使用する場合、土の湿り気があるときに被覆しましょう。菊の根は長時間水に浸かると弱るので、排水が悪いほ場では高畝にします。
3.ネット張り
倒伏を防止するため支柱を2mおきに立て、18~20cm角ネットを張り畝の上にふせておきます。ネットの両端は板などで固定し、定植後の生育に合わせてネットを上げていきます。
4.定植
摘心栽培の場合、挿し芽から約1か月後(根が伸び過ぎないうちに)、株間10~15cm、条間30cmの2条植えにします。定植後十分かん水し、敷きわらをします。
摘心
摘心は、定植後活着して生長点が伸び始めたら、中心の生長点を摘み取ります。摘心後、茎が多く立ってきたら、1株当たりの芽を3~4本に整理します。残した茎が多過ぎると細くなる場合があるので、注意しましょう。
病害虫防除
小菊で発生しやすい病気として、葉に斑点ができる白さび病があります。梅雨時期の雨が多く、低温気味の時に発生しやすいので、予防的に防除しましょう。また、暖かくなるとアブラムシ、ハダニ、アザミウマ等が発生します。発生を確認したら早めに防除します。
採花
採花は、朝または夕方の気温の低い時に行います。切り時は咲き過ぎに注意し、用途に合わせて調整しましょう。採花後は下葉を落とし、長さをそろえて水揚げをします。雨などで濡れている場合は葉や花を十分乾かしましょう。蒸れによる傷みが少なくなります。