「プリンスメロン」 の栽培について
Vol.206
栽培方法
1.土作り
菜園でメロンを育てるときは植え付けの2 週間前に、1㎡あたり、苦土石灰を150g、堆肥を2kg、化成肥料(野菜の達人)を1 1 0g施しておきます。植え付けの1週間前には、幅1m、高さ1
0㎝の畝を作ってマルチングをして地温を上げておきます。地温を上げる為のポリマルチを利用する場合は、透明マルチを使用する(黒マルチは葉が焼けるため)。
2.良い苗の選び方
植え付けに適した苗は、本葉が3~4枚のもので葉の緑色が濃く茎の太いもの、虫などの被害を受けていないものを選びます。初めて育てる方は接ぎ木苗を利用します。
3.定植
- 植え付けの3時間前には十分に水を与えておきます。
- 植え付けは好天の日の気温と地温が十分に上がる時間帯を選んで行います。
- 植え付けるときには、根鉢より少し大きめの植穴をあけて、子葉が埋まらない程度に植えます。ポットから取り出すときは根鉢を壊さないよう十分注意して抜き取ります。
- 苗を植えた後は水をたっぷりと与えてホットキャップをかぶせて保温すると初期生育が良くなります。
4.整枝
- 植え付け後に本葉が5~6枚しっかり展開したら、本葉5枚目で摘芯します。
- その後は生育の良い子つるを、プランターの場合は2本、露地栽培の場合は4本残してそれ以外は全て摘み取ります。
- メロンの雌花は子つる、孫つるにたくさん咲くので、子つる10節目までの孫つるは全て摘み取ります。
5.メロンの摘芯
メロンは孫つるに咲く雌花に着果させるので、子つるは葉が15~16枚になった頃に先端を摘芯します。子つるの先端を摘芯することで、孫つるの発生を促すことができます。孫つるはそのまま伸ばさずに着果を確認したら葉を2~3枚残して先端を摘芯します。子つる1本に対し2個の果実までにとどめると、品質の良い果実を実らせることができます。
6.人工授粉
- メロンは雄花の開花状況、温度、天気などの条件が悪いと着果しないので、確実に着果させる為人工授粉を必ず行います。
- 雄花は花弁の下が膨らんでいないので、雌花とはすぐに見分けられます。
- 授粉させる時間ですがメロンは花粉の寿命がとても短いので、晴れた日の午前9時までには授粉を済ませます。
- 人工授粉は雄花の花弁を切り取り、花粉を雌花の柱頭にこすりつけて授粉させます。授粉日を記入したラベルなどを近くにつるしておけば収穫までの日数管理が楽になります。
7.追肥
露地栽培の場合は、1回だけ追肥を行います。植え付けから30日後に畝の肩の部分に化成肥料(野菜の達人)を1㎡あたり26g施します。
8.玉直し
- 果実の下にナイロンなどを敷いて傷や害虫から守ってやります。
- メロンを露地で育てるときは玉直しを行うことで果実の形が良くなり色付きが大変良くなります。
- 果実がソフトボールくらいの大きさになったら色が薄い部分を反対に向けてやります。
- 果実数を調整して甘みのあるメロンにしよう。
- メロンの果実は1本の子つるに1個にした方が美味しい果実を収穫できます。地力のある畑であればもう少し成らしても問題ないですが、着果後も脇芽が次々と出てくるのでこまめに取り除きます。
9.収穫時期
品種にもよりますが、授粉を行ってから約40~50日が収穫適期となります。収穫時期の判断は日付による管理を行うのが一番良いですが、見た目で収穫時期を判断するコツは、果実の付け根に付いた葉の縁が枯れてきて香りのするものを収穫するようにしましょう。
- 病害虫対策
- メロンは乾燥と高温にはとても強いですが、高温で多湿が続くと、うどんこ病や、つる枯れ病、べと病が発生します。他にも黒点根腐れ病、つる割れ病、モザイク病などありますが、抵抗性台木を利用することで予防できます。害虫は、ワタアブラムシ、アザミウマ類、ハダニなどです。シルバーマルチや、周囲の雑草退治などが有効です。