「サトイモ」の栽培について
Vol.157
今月は、縄文時代に稲よりも早く渡来し、古くは「万葉集」にも歌われている家庭菜園の定番、「サトイモ」の栽培をご紹介します。山野に自生する「ヤマイモ」に対し、「里で栽培されるイモ」が名前の由来です。 秋を告げる野菜の代表格として、家庭菜園に加えてみてください。
(企画営農課 主任 堀井 俊輔)
栽培特性
- 種イモよりも上部の空間に子イモが形成されるため、土寄せ作業は必ず実施する
- 高温性で生育適温は25~30℃。夏の暑さでもよく育ちますが、霜には大変弱い。
- 乾燥には大変弱く、生育ざかりの夏季に降雨が少ないと減収が著しい。
- 連作障害に非常に敏感で、次作までに3年以上が必要です。
1.芽出し
地温が上がる4月中旬から植え付けが可能です。 ただし、購入した種イモは地上に芽を出すまでに約1か月を要するため、暖かい場所でコンテナなどに仮植えし、芽出しをしてから菜園に植え付ける方が安全です。
2.菜園準備・植え付け
植え付け2週間前までに1m2当たり堆肥3kg、苦土石灰・化成肥料それぞれ100gを目安に散布し、深く耕します。その後、70~80cm程度の畝を立て、株間40~50cmの間隔で種イモを植え付けます。
植え付け後は畝を黒マルチで覆い、地温を確保します。その後、芽が動いてマルチを持ち上げ始める頃にマルチを破り、地上に芽を出してやりましょう。
3.追肥・土寄せ
5月下旬から6月中旬を目途に1回目の追肥、7月中旬頃に2回目の追肥を、それぞれ1株当たり化成肥料1握り程度施用します。追肥のたびに土寄せを実施し、株元に土を寄せることにより子イモや孫イモの肥大を促します。
4.収穫・貯蔵
11月頃になったら、前もって地上部を刈り取ってから掘り上げます。 なお、貯蔵する場合は、菜園から株を掘り上げずにそのまま稲わらや黒マルチ等で覆い、上から土を被せておけば越冬することができます。