平成30年産米の作付計画をする前に
営農部
今井一さん(右)と梅田主任
国による米の生産目標数量の配分が平成30年から廃止されます。JA京都では米農家の経営リスク分散を図るため、醸造用掛け米「京の輝き」の導入をお奨めしています。
生産調整により守られていた価格
これまで、国は都道府県への生産数量目標を決定し配分してきました。生産者に配分数量を守ってもらい、需要と供給のバランスを保つことで米価の大きな変動を避けてきました。平成30年以降、国による生産目標数量の配分が行われないため、米価が不安定になることが懸念されます。
米の直接支払い交付金も廃止になることが決まっており、今後の稲作の経営にとって、大きな収入の減少となります。
「収穫したトマトは京都市や隣接する兵庫県豊岡市の市場に向けて出荷します。近年は、両組織あわせて取扱高1億円規模の産地を形成しています」と久美浜支店生産課の畑中孝昭主任は話します。
作付時に収支計画が立てられる「京の輝き」
弥栄支店管内で、水稲を約12ha、加工用野菜などを約2・8ha栽培する今井一はじめさん(60歳)は、昨年より醸造用掛け米「京の輝き」の栽培を始めました。主食用米の他に栽培している加工用米を「どんとこい」から変更したのです。
「京の輝き」は府が独自に開発した品種。府内の清酒メーカーや酒造組合、JAなどが連携し、実需と生産者を強固に結ぶ流通システムも確立されています。
事前に酒造組合から希望数量と価格が提示されるため、作付け時に収支計画が立てられます。また、現段階では、一般米と比べ、生産調整実施による助成金も期待できます。
大吟醸になった「京の輝き」
今井さんの農園では、今年の春から次男の拓たく法のりさん(28歳)が就農し一緒に働き始めました。近年、集落内の空き水田が増え、昨年から今井さんが管理することになりましたが、一人では手が回らなくなったためです。「規模を拡大すれば価格変動の影響が懸念されます。助成金頼みの経営はしたくないが、戦略作物を導入することで経営のリスクを分散できると考えます」と今井さんは言います。
JA京都は実需のある作物を推進
来年度から主食用米は相場原理によって価格が変動します。売り渡し価格が大きく変動すると下がり幅によっては赤字になる農家も出てしまいます( グラフ参照)。
「作付け前に収入が見える水稲もあるということを知ってもらいたいです。農家経営の安定化に役立つよう、実需のある水稲栽培の提案に努めていきます」と弥栄支店生産課の梅田洋一主任は話します。
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