小菊の安定生産を目指して
営農部
新品種導入に向けて試験栽培
JA京都の統一品目である「小菊」を、いつまでも安定的に生産していくため、様々な取り組みが進んでいます。
高齢化が進む生産現場
花き部会の統一品目として小菊があります。部会員195人( H29年度)のうち93 人が小菊を栽培されており、栽培面積は約4・5haに及びます。しかし、その現場でも生産者の高齢化が進み、生産規模は減少傾向にあります。
「今は定年退職後に栽培を始める人がほとんどであり、無理のない生産を継続していただくことで安定生産を目指していきたいと考えています」とJA京都営農部企画営農課の増馬健太営農指導員は話します。
より良い生産体制づくり
小菊はこれまで、8月のお盆や9月の彼岸に合わせて栽培されてきました。しかし近年、天候不順から出荷時期が需要期から外れてしまったり、夏の暑さの中で作業ができなかったりなど、状況が変化しています。将来を考えJAでは安定生産に向けさまざまな取り組みを進めています。
- 1年を通して栽培
お盆や彼岸で需要が高まる夏秋咲き( 8~9月)だけでなく、夏咲き( 5~7月)、秋咲き(10~11月)、寒咲き(12月)など1年を通して栽培することで、需要期の出荷に頼るリスクを分散し、経営の安定を図ります。 - 新しい品種を導入
管内では古くから「翁丸」「流星」「紅色部」などを栽培してきましたが、その一方で新しい品種の導入にも積極的です。
ポイントは、開花時期と作業性の良さです。開花期が安定し、直幹性で収穫調整が行いやすい品種の普及を図ります。具体的には、8月上旬に桃紅色の花を付ける「ちあき」、10月上中旬に純黄の花を付ける「かんろ」などがあります。「ちあきやかんろは平成29年度から出荷しており、評価の高い有望な品種です」と増馬営農指導員。 - 研修会を定期的に開催
季節ごとの肥培管理についての研修会を定期的に開催し、技術情報の共有、生産意欲の向上を図っています。3月には亀岡・園部合同で開催しました。 - 生産者番号規格の統一
出荷箱に押印する生産者番号規格が支店ごとにばらばらでしたが、花き部会統一番号規格に付け直しました。これによってトレーサビリティが向上し、小菊産地として新たな販売戦略の足掛かりとなりました。
小菊の安定生産を目指して
増馬営農指導員は「前述の取り組みを行いながら新規生産者を募りつつ、現部会員には更なる所得向上につながる小菊生産を行っていただきたく、そのための仕組みを整えたい」と話します。
亀岡・南丹合同で開催した研修会
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