伝統の京たけのこを栽培
営農部 亀岡広域営農センター
手入れが行き届いた山はまるでタケノコの畑
亀岡市篠町は知る人ぞ知る「京たけのこ」の名産地。シーズンたけなわの4月中旬には「タケノコ祭り」も開かれます。
西山と山でつながる地形
春の味覚タケノコ。中でも色白で刺し身にできるほど軟らかく、えぐみが少ないのが「白子たけのこ」と呼ばれる最高級の「京たけのこ」です。亀岡市篠町は知る人ぞ知る、その名産地です。
「篠町の篠、森、王子地区は、京都を代表する京たけのこの産地、西山と山でつながっていて、栽培に適した粘土質の赤土が同じように広がっており、昔からタケノコの産地として知られて来ました」と話すのはタケノコ農家の3代目で、京野菜部会篠支部たけのこ部会の山口逸男部会長( 亀岡市篠町)。ここでは約20軒の農家が約6haを栽培しています。
さながら「タケノコの畑」
「タケノコは勝手にできると思っている人がいますが、手入れが大変です」と山口部会長。収穫が終わると、掘り出した後に空いた穴に「お礼肥」と呼ぶタケノコ専用の肥料を入れます。
5月には、1年目の親竹の中で残すものを決め、芯を止める先折作業を行います。その一方で、年をとった竹を間引きます。
その後、草刈りなどが続き、11月ぐらいから一面に置土( 土入れ)をします。この作業は、上へ上へと伸びて行くタケノコが、地中で根を張る場所を造成するもので、京たけのこを生産するうえで欠かせない作業ですが、なかなか重労働です。
「広い土地なら機械も入れられますが、狭い所が多く、どうしても手作業になります。農家の高齢化が進む中では大きな課題です」と山口部会長は話します。
こうした苦労の中で、手入れが行き届いた山は、さながら「タケノコの畑」です。
たわわ朝霧で「タケノコ祭り」
「京たけのこの出荷は、早い所では3月下旬から、最盛期は4月中旬から下旬。地上に出てしまうと色が黒くなりえぐみが強くなりますので、畑にできたわずかな地割れを手掛かりに、先の長い特殊な鍬を使って地中から掘り出します」と亀岡広域営農センターの小島武営農指導員。今年は冬の寒さが厳しかったため、少し遅れそうだということです。
掘り出したタケノコはJA京都を通して京都市場へ出荷するほか、生産者が篠町内にあるJA京都農畜産物直売所「たわわ朝霧」で販売しています。京都市場向けは箱詰め出荷で、2L( 2㎏箱に3本入り)を中心に出荷しています。たわわ朝霧では品質保持に適したボードン袋に入れて販売しています。
また、たわわ朝霧では毎年、出荷が最盛期を迎える頃、今年は4月中旬に「タケノコ祭り」を開催。特設ブースを設け、生産者が朝掘りの新鮮なタケノコを対面販売し、篠町産の京たけのこをPRしています。
「毎年楽しみに訪れてくださる消費者の方も多く、その数は年々増えています」と小島営農指導員。「そうした人々においしいタケノコが届けられるよう、体が続く限り生産していきたいと思います」と山口部会長は言います。
たわわ朝霧開店の年から続くタケノコ祭り
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