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「ハクサイ」の栽培について

いきいき菜園生活

「ハクサイ」の栽培について

亀岡中部支店生産課 主任 西村 嘉晃

栄養豊富で低カロリーな冬野菜の主役。
繊維が豊富で柔らかく、淡白な味は鍋物や漬物に不可欠です。

ハクサイ

1 苗づくり

セルトレー(128穴)を利用して、1穴に3~4粒まきます。
2㎜くらいの厚さに覆土し、たっぷりかん水します。
発芽ぞろいの頃、2本立てに間引きます。
本葉2~3枚の頃、1本仕立てにします。
本葉4~5枚で畑に植えつけましょう。

ポイント

植えつけ直前はかん水を入念に。トレーの外縁が乾きやすいので多めに与えましょう。

2 畑の準備

植え付けの1か月くらい前に堆肥と石炭をまいて、畑を深く耕しておきます。
1㎡当たり:堆肥…5~6握り 石灰…大さじ3杯(45g)
畝を作る(畝は40㎝、畝間は30㎝)。
植え付け日が近づいたら畝全面に元肥を施し、15~18㎝の深さによく鋤き込みます。
1㎡当たり:油かす…大さじ5杯(75g) 化成肥料…大さじ3杯(45g)

ポイント

ハクサイの根系は比較的浅く広く張るので、元肥は全面にばらまき、鍬で鋤き込みましょう。

3 植え付け

排水の悪い畑は思い切って高畝にします。
畝面が平らになるようにならします。
植え穴を掘って、1か所に2株ずつ植えます(株間は40~60㎝)。
植え付け後は株のまわりにたっぷりかん水しましょう。

4 保護被覆

強光、暑さによるしおれや強風被害を回避するために、被覆資材を直掛けするのがよい(被覆したままで、かん水や薬剤散布ができるので便利)。

図1

5 間引き(株定め)

本葉6~7枚の頃、間引いて1本仕立てにし、生育の遅れたものや葉の形、色の悪いものを除きましょう。
1株にした後で株本がぐらつかないように、少し土を寄せます。

ポイント

軟弱なハクサイは生育初期に風雨や害虫の害を受けやすいので、1か所2株植えにしておき、活着して盛んに伸びだした頃に間引きして1本立てとします。

6 追肥

第1回目は植え付けの20日後、
株のまわりにばらまき、
軽く土に混ぜます。

1株当たり
化成肥料…大さじ1杯(15g)

図2

第2回目は第1回目の20
日後、畝の両側に施し、
土寄せします。

1株当たり
油粕…大さじ2杯(30g)
化成肥料…大さじ2杯(30g)

図3

第3回目は畝全体が葉で覆わ
れる前、株間のところどころに、
葉を傷めないように注意して
ばらまきましょう。

1株当たり
化成肥料…大さじ2杯(30g)

図4

7 収穫

頭部を手のひらで押してみて、かたく結球していたら収穫します。
手で軽く傾け、株元に包丁を入れて切ります。
外側の葉が生き生きとした緑で重みがあり、切り口が白くみずみずしいものが優品。
収穫したものは、新聞紙にくるんで冷暗所に置くだけで長持ちします。

害虫防除

・苗床や本畑を防虫ネットや被覆資材で覆って害虫の飛来を防ぎましょう。
・発生が見られたら、薬剤を散布して防ぎます。
・畝全体に反射性マルチを敷いて、アブラムシなどの飛来を防ぎましょう。

図5

よくある質問

.締まりの良い大球を作るには?
.遅れずに追肥し生長を促します。結球期に入ってからの追肥は葉を傷めて病害の発生原因になるので行わないようにしましょう。

.収穫期に入っての防寒対策は?
.外葉で覆う、縛るなどの工夫を。

参考文献:野菜作り大百科(一般社団法人 家の光協会)