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土作り作業の労働力削減を支援

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土作り作業の労働力削減を支援

土作り作業の労働力削減を支援

丹波支店生産課


トラクターにコンポキャスタを取り付けて散布します

おいしいお米は土作りから、と言いますが、施肥作業は重労働です。そこで丹波支店では、その作業を地元法人へ委託して生産者の支援を行っています。

土作り肥料の役割

「地球温暖化」が原因と考えられる高温や日照不足など、最近は水稲や野菜など農産物に大きな影響を与える異常気象が頻繁に起きています。その中で高品質な農産物を安定的に生産するための方法の1つが「土作り」です。

土作りで重要になるのが、pH(水溶液の性質をあらわす単位)値とケイ酸です。水田の場合、pHの好適範囲は5.5~6.5の微酸性領域。ケイ酸は土壌100gあたり15mg以上とされています。土は、一年間水稲を栽培した分だけ痩せています。灌かんがい水や降水によって塩基類は流されpHは低下します。稲はケイ酸を10aあたり100kg以上(窒素の10倍)も吸収するため、灌かんがい水、土壌、稲わらなど天然供給だけでは足りません。

土作りをした杉本さんの田んぼでは、稲の姿勢が良く、倒伏がない
土作りをした杉本さんの田んぼでは、稲の姿勢が良く、倒伏がない

「人間も働いた後は栄養を取らないといけないように、土も栄養補給をしないと、次の年に良品質な米を作ることはできません。そこで必要になってくるのが、土に栄養補給をする土作り肥料です」と丹波支店生産課の西垣吉裕係長は話します。

西垣 吉裕さん

ケイ酸の効果

お米にとってケイ酸はとても重要な養分です。稲体がケイ酸を多く吸収することによって次のような効果があります。茎や葉が直立し、受光体勢が改善することで、下葉まで光が良く当たるようになり、登熟歩合が高くなって、品質向上につながります。
また、茎葉の細胞にシリカ層(ケイ化細胞)が蓄積し、病気や虫の害を受けにくい丈夫な稲体になります。

近年、ケイ酸が稲体の温度を低下させる「クーラー効果」を持つことが分かってきました。ケイ酸を多く吸収した水稲のほうが高温に対する耐性が強いとされています。
そして、水稲生産農家の杉本昌平さんは「コシヒカリとキヌヒカリをつくっていますが、ケイ酸肥料を入れるようになってからは、倒伏しにくくなりました」と言います。ケイ酸がいきいきした活力のある根を作り、根張りがよくなった結果です。

JA京都の土作り肥料

稲が吸収するケイ酸量は、10aの水田で玄米収穫量が約600kgとした場合、約130kgとされています。稲わら、灌かんがい水などから供給されるケイ酸量は約100~110kgです。不足するケイ酸量(約20~30kg)を土作り肥料で補うことになります。

杉本 昌平さん

JA京都の土作り肥料「とれ太郎」は、従来の肥料に比べて、ケイ酸の吸収率が高い(保証成分30%)のが特長。施用量が10aあたり4~5袋(1袋20kg)と少なくてすむ省力タイプで、ケイ酸のほかに、りん酸・苦土・石灰などをバランス良く含んでいる総合的土作り肥料で、土壌の酸性を緩やかに矯正します。
「秋から冬にかけての荒起こし前、または春先の水田耕起時や元肥施用時に散布いただくようおすすめしています」と西垣係長は話します。

土作り作業の労働力の削減を支援

丹波支店生産課では一昨年度、2018年度から「とれ太郎」の散布について、地元法人に散布作業を委託し、水稲栽培農家の労働力削減に向けた取り組みを行っています。
今年も『ぱあとなぁ~』8月号と一緒に、丹波支店管内に取り組み内容を紹介するチラシを配布し、希望者を募りました。

個人での散布では、20kg入袋をJAに引き取り、田んぼへ運んで配布しなければなりませんが、この取り組みでは、委託する地元法人が「とれ太郎」の搬入から散布まで行います。また、使用済の袋はJAが適正に処理します。
価格は、10aあたり、個人で散布の場合、肥料代9250円(税別)と袋の処分費がかかりますが、この取り組みでは、肥料代、散布代合わせて1万円(同)で袋の処分までいたします。
試験的に実施した一昨年度の希望者は9人でしたが、昨年度は13人、今年は17人と徐々に希望者が増えています。散布作業は10月中旬から順次計画しております。

杉本さんは「初年度からお願いしています。約40aの田んぼでお米を栽培していますが、以前はスコップで散布していました。大変な作業なので毎年20aずつ交互に撒いていました。散布をお願いするようになって一気に40a撒いてもらえますし、とても楽になりました」と言います。
西垣係長は「土作り肥料『とれ太郎』の散布による収量アップを目指し、農家所得の向上につながれば」と話します。

「とれ太郎」はケイ酸の吸収率が高い省力型土作り肥料です
「とれ太郎」はケイ酸の吸収率が高い省力型土作り肥料です


丹波支店生産課
〒622-0214
船井郡京丹波町蒲生梅ノ木5-1
TEL.0771-82-1124

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