グリーンアスパラ
2007年04月 Vol.61
購入場所
京都市内の主な
スーパー、デパート
生産者、農作業
収量を増やす秘訣は、丈夫な株を作ること
みなさんが普段目にしているものは、アスパラの茎の部分です。茎なので当然放っておいたらどんどん伸びて枝葉も茂りますので、そんな状態の畑を初めて見た人はアスパラが植わっているとはわからないのではないでしょうか。
このように収穫せずに、茎をそのまま生長させることを「立茎」といって、実は来シーズンに向けての大切な作業なんです。約120センチにまで伸びたアスパラは光合成や肥料を通して、茎に十分な養分を蓄えます。その後、先端を切りそろえて養分を根の方へ戻らせることで、その根からまた新しく発芽するのです。
気温が高くなると生長が著しいアスパラは、元気な時は半日で10センチ近くも伸びたりしますし、カット後も1センチくらいは伸びることがあるんですよ。ここでは24センチを目安に収穫して、新鮮でジューシーなアスパラを出荷しています。茹でてそのままはもちろん、肉巻きにして食べるのもおいしいですね。
アスパラは播種から3年は出荷できませんが、管理をしっかりしていればその後7、8年は同じ茎(株)での収穫が可能な野菜です。私以外の生産者も高齢化が進んでいますが、作業自体は比較的楽な方なので助かっています。是非おすすめの産品ではないかと感じています。
収穫は専用の鎌で。
先端から24cmの柄の部分には、収穫の目安となる線が引かれています
産地
新規生産者の確保が急務
国による一割減反政策の影響を受け、昭和55年頃から本格的な栽培が始まりました。昭和60年のピーク時には生産者数は町内(旧丹波町)で59人に達しましたが、現在は4人となっています。
平成17年度の実績は出荷量約730キロ、販売高約117万円。部会は当初から結成されていませんが、生産者同士で目合わせ会が行われるなど、徹底した品質管理によって管内でも希少な産品を支えています。
また、JA京都丹波支店では規格を一目で識別できるように、2L(黄)、L(紫)、M(赤)、S(緑)、優A(水色)、優B(白)と束ねるテープを色分けして出荷しています。
- 収穫までの流れ グリーンアスパラ 丹波管内の場合
-
3月 上旬 ハウス作り、除草 中旬 スギナ除草 4月 上旬 施肥、かん水 中旬 収穫、出荷 5月 上旬 施肥 6月 上旬 施肥 下旬 収穫後作業(株養成) 10月 中旬 (優良株育成のための)株切り 2月 下旬 ハウス作り (3月中旬まで)
おすすめの一品
福知山市ヒロコクッキングスクールさん直伝
グリーンアスパラと鶏つくねの照り焼き
- 材料(4人分)
- アスパラ 1束
- ニンジン 1?角切り8?長さ4本
- 茹でたけのこ 1?角切り8?長さ4本
- 鶏ミンチ 200g
- 玉ねぎ 小1/2個(80g)
- ごま油大さじ1~1/2
- パセリ、白ごま
- A(卵1/2個、片栗粉大さじ1、みりん大さじ1/2、濃口しょうゆ大さじ1/2、おろしショウガ小さじ1)
- B(さとう大さじ1/2、オイスターソース、みりん、酒、水各大さじ2ずつ)
- 作り方
- アスパラは下から5~6?の固い皮を皮むき器で削り取り、半分の長さに切る。
- 玉ねぎをみじん切りにしてミンチとAと共にボールに入れ、手で粘りが出るまでよく混ぜ合わせ(1)とニンジン、たけのこの数に合わせ、16~20個に分ける。
- アスパラ、ニンジン、たけのこの真ん中あたりに(2)のつくねをギュっと握るように付け、大皿に重ならないように並べ、ラップをして電子レンジ600Wに3~4分入れる。
- フライパンにごま油を入れ(3)を並べて両面焦げ目を付け、Bを合わせて入れ、照りよくからませて皿に盛り、指で押しつぶしながら白ごまを振ってパセリを飾る。
- ひとくちメモ
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アスパラは栄養ドリンクにも使われているアスパラギン酸がたっぷり含まれ、ビタミン各種も食物繊維も豊富です。下部の固い皮はまな板に置いて、転がしながら皮むき器で削り取ると上手に取れます。今回は茹でずに軟らかいつくねと共に、レンジで80%ほど火を通してから照り焼きにするスピードクッキングにしてみました。
伴みずほ先生のグリーンアスパラのココがすごい!
伴 みずほ
京都短期大学講師
(管理栄養士)
アスパラはシャキシャキとして柔らかくほんのり甘い春野菜、太陽の光を浴びたグリーン、遮ったホワイト、品種が異なる紫の三色があります。美味しさの秘密は名前に由来するアスパラギン酸(旨味)などのアミノ酸です。私たちが食べているのは、たけのこのように次々と発芽してくる若茎で、特にグリーンアスパラには、カロテン、ビタミンB群、ミネラルが豊富です。穂先に多く含まれるポリフェノール(抗酸化物質)含量は季節や環境で変動します。
主な成分比較(生野菜100gで比較)
アスパラ(ユリ科) | 玉ねぎ (ユリ科) | トマト | |
---|---|---|---|
カルシウム(mg) | 19 | 21 | 7 |
鉄(mg) | 0.7 | 0.2 | 0.2 |
β-カロテン(μg) | 370 | 1 | 540 |
ビタミンE(mg) | 1.5 | 0.1 | 0.9 |
ビタミンK(μg) | 43 | Tr | 4 |
ビタミンB1(mg) | 0.14 | 0.03 | 0.05 |
ビタミンB2(mg) | 0.15 | 0.01 | 0.02 |
葉酸(μg) | 190 | 16 | 22 |
アスパラギン酸(mg) | 360 | 68 | 73 |
グルタミン酸(mg) | 190 | 240 | 260 |
- 五訂増補日本食品標準成分表、改定日本食品アミノ酸組成表、参照
Tr=0ではないが微量