たけのこ
2006年04月 Vol.49
4月上旬~5月上旬
生産者の声
竹やぶの管理が良質のたけのこを育てる。
篠のたけのこはやわらかくてえぐみも少なく、お客さんから好評です。炊く時もアク抜き用の米糠を入れなくても平気ですよ。たけのこは春になれば勝手に生えてくるものだと思ったら大間違い! 竹やぶの管理をしっかりしてやらないとすぐに荒廃してしまいますし、良質のたけのこも育ちません。親竹の更新など仕事はいろいろありますが、中でも特に大切なのが土壌作りです。やわらかくしっとりとした肉質のたけのこになるように、夏の初めから萱の刈り入れや施肥などの作業にかかり、12月頃には保湿性に富んだきめの細かい赤土を入れてよく馴染ませておきます。春先になって地面の一部分が盛り上がったり、ひび割れたりしだすと収穫の合図です。産地の規模は京都市内などに比べると小さいですが、味は負けていませんよ。篠のたけのこを一度食べてみてください。
こちらでは親竹の更新時に識別できるように、
竹1本1本に生えてきた年が記されています。
- 収穫までの流れ たけのこ(篠の場合)
-
6月下旬~7月上旬土壌作り 竹やぶに油かす、萱(※)を順に敷き詰める。
- …同時期に畦などで刈り取っておく。
11月下旬~12月上旬土入れ 竹やぶに肥料(リュウアン)を施した後に、赤土を敷き詰める。 2月下旬石取り 収穫時に障害となる石を取り除いておく。 3月上旬~4月下旬収穫 通年親竹の更新 古くなった竹(目安は8年もの)を伐採。理想は1本/坪だそう。
生産地の紹介
部会発足から1年が過ぎ、
今後は具体的な販促計画の
策定・実施が急務。
JA京都管内の産地は福知山のみ。農家数37名(36名+1法人)、栽培面積3.7ヘクタール、今年度売上目標1千万円。平成13年度の収量は4トン、今年度目標は7トン。キュウリの産地として知られる福知山の冬季の作物として、平成10年度に導入された。品種は早生が「京の春」、晩生は「花飾」。桃の節句の頃には特に需要が伸びる。
伴みずほ先生のたけのこのココがすごい!
チロシン含有量は肉、魚に匹敵!
ほのかな甘みを楽しめる「たけのこ」は春の訪れを感じさせます。茹でた後にみられる白い結晶はチロシンで、脳を活性化する働きがあります。食物繊維が豊富で水分が多く低カロリー、解毒作用があり生活習慣病に有効です。カリウム、亜鉛は、血圧降下作用やむくみ解消、味覚障害にも効果を発揮します。食べ過ぎが原因で吹き出ものやアレルギーに似た症状を起こすことがあります。掘り出したたけのこはそのまま放っておくとシュウ酸などのえぐみが増すため早めにあく抜きをしましょう。
主な成分比較(ゆで野菜100gあたりで比較)
たけのこ | ブロッコリー | だいこん | |
---|---|---|---|
エネルギー | 30kcal | 33kcal | 18kcal |
食物繊維 | 3.3g | 3.7g | 1.7g |
カリウム | 470mg | 180mg | 210mg |
亜鉛 | 1.2mg | 0.3mg | 0.1mg |
チロシン(生) | 690mg | 140mg | 4mg |
ヒロコ先生のお料理1人分(50g)で、食物繊維はりんご1個、亜鉛はあさり(むき身)6個分に相当
- 五訂増補 日本食品標準成分表、改定日本食品アミノ酸組成表 参照
おすすめの一品
福知山市ヒロコクッキングスクールさん直伝
たけのこの木の芽焼き
木の芽の風味が香る、季節限定の一品。
- 材料(4人分)
- たけのこ 150~200g
- 椎茸 2~3枚
- 海老 6尾
- ホタテ貝柱(刺身用)大2個
- たけのこの皮 小4枚
- 木の芽 少々
- A(水1カップ、かつおぶしひとにぎり(紙パック)、みりん大さじ1/2 淡口しょうゆ大さじ1/2)
- B(白みそ60g、ほうれん草の葉2~3枚、木の芽10枚、砂糖大さじ1、マヨネーズ大さじ1、片栗粉大さじ1、卵黄1/2個)
- たけのこのゆで方
たけのこは皮付きのまま、先を1/4程斜めに切り落とし、皮に縦の切りこみを入れ、大きな鍋に水を張り、水の1割程の米ぬか(又は米のとぎ汁)、赤唐辛子を入れ、落とし蓋等で浮かないようにおさえて火にかける。沸とう後コトコト煮立つ弱火で40分~1時間一番下の方に箸が通る位にゆで、ゆで汁に漬けたまましっかり冷ます。皮にはあくを取る作用ややわらかくゆで上げる力がある。又、赤唐辛子はピリ辛さがえぐみを和らげる効果があり、ゆで汁に漬けて冷ます際に皮があくを吸い取ってくれる。
- 作り方
- たけのこと椎茸は1cm角に切り、Aと共に煮汁が少なくなるまで煮込み、冷ましておく。
- 海老は殻ごとゆで、冷めてから殻を取り1cmのぶつ切りにし、貝柱は生で同様に切る。
- すり鉢にほうれん草、木の芽を入れてよくすりつぶし、白みそを加えてのばしBの残りを加えて木の芽みそを作る。
- (1)~(3)を合わせ、たけのこの皮の水気を拭いてのせ、220~250℃に予熱を取った高温のオーブンで10分程焼く。焼き上がりに木の芽を飾る。
- ひとくちメモ
- 子供達にも喜んでもらえるようマヨネーズを加えて竹の皮に乗せて焼いてみました。竹の皮には薬効果もあり、見栄え良く出来上がります。Bの片栗粉、卵黄を入れなければ木の芽和えになります。