病害虫と雑草の対策について
Vol.159
夏野菜の定植は完了しましたか? 5月は高温気味に推移したため、野菜の初期生育は旺盛だったと思います。これから梅雨を迎え、蒸し暑い季節が到来し、やがて夏を迎えます。今月は、これから家庭菜園でも増えてくる病害虫や雑草対策についてご紹介します。
(企画営農課 主任 堀井 俊輔)
雑草対策
雑草には一年生と多年生があります。メヒシバなどの一年生雑草は、毎年種子をつけ、翌年以降にその種から発生しますので、種がこぼれる前に除草してしまえば翌年の発生を抑えることができます。
一方、スギナなどの多年生雑草は、種を残す種類もありますが、地上部が枯れても根や茎の一部が残り、そこからまた成長しますので、根こそぎ退治する必要があります。
【ポイント1】小さいうちに除草する
雑草が小さいうちは、まだ根が張っていないので容易に抜き取ることができます。畑が乾燥すると根が抜きにくいので、雨後の畑が軟らかい時に作業しましょう。雑草との戦いは先手を打つことが大切です。
【ポイント2】中耕で土を動かす
土を浅く耕すことで、株元にある雑草は根が切られ、土をかぶせれば枯れてしまいます。
三角ホーは、地面の雑草をかき取り土寄せも可能な優れもので、私も愛用しています。
病害虫防除対策
家庭菜園では、なるべく農薬を控えたいものです。病害虫防除の近道は「雑草対策」にあり、病害虫の巣になる「雑草」を取り除くことで、病害虫の密度は低減しますが、100%ではありません。
家庭菜園で農薬を使用する場合は、右記のポイントには特に注意しましょう。
また、農薬を散布する時は、安全のためにマスクやメガネを必ず着用するようにしましょう。
【ポイント1】農薬のラベルを必ず確認する
農薬容器には、必ず効果的で安全に使用するための遵守事項や適用病害虫名、使用倍率、使用時期、総使用回数などが法律に基づいて記載されています。
例えば、水和剤や乳剤は水で薄めて使う農薬です。農薬の濃度が高いほど効果が高まると思っていませんか?
ラベルに表示されている使用方法は、もっとも効果的で安全、しかも薬害が起こらないことが確かめられている数値です。希釈倍率は必ず守りましょう。
【ポイント2】散布時期とその方法
散布時期・・・薬害が発生しやすくなるので、暑い日の日中は避け、夕方の風がなく涼しい時間帯を選びましょう。
散布方法・・・害虫は主に葉裏に付いています。よって、ノズルを上に向け、下から上に噴き上げるように散布します。液量は、使用基準( ラベル)に従って作り、葉の表と裏が十分濡れるように、まんべんなく散布しましょう。
- お持ちの農薬が古い場合は、必ずその使用方法についてJAまでお問い合わせください(使用基準が変更されている場合があります)。