【公式】JA京都 暮らしのなかにJAを

困ったときは
「トウモロコシ」の栽培について

いきいき菜園生活

「トウモロコシ」の栽培について

堀井 俊輔

今月は、もぎたての味が最高で、ビタミン・ミネラルの豊富なスタミナ源として愛され続ける夏の家庭菜園の立役者「トウモロコシ」の栽培をご紹介します。

(企画営農課 主任 堀井 俊輔)

栽培特性

  1. 高温・多日照を好み、発芽には7℃以上を必要とし、正常な受精には12℃以上、35℃以下が最も適します。
  2. イネ科で連作に強く、肥料の吸収性が非常に高いため、クリーニングクロップ(畑の余分な養分を吸収して減らす作物)としても効果があります。
  3. トウモロコシの花粉は風媒花(風により花粉が運ばれて受精する)で、2条植えにより花粉の密度を高めることで受精率が向上します。

1.ほ場準備

は種・植え付け2~3週間前までに1㎡当たり堆肥2㎏、苦土石灰・化成肥料それぞれ100gを散布し、深く耕します。その後、畝幅70~80㎝程度の畝を立て、地温を確保するため畝を黒マルチで覆います。

2.は種・定植

条間45cm、株間30~40cmの穴を開け、2条の1か所に3粒まきとします。

この時の覆土は2cm程度とし、深植えにならないように注意が必要です。

草丈が10~15cmになったところで間引きし、1か所に1本の苗を残します。この時、残す苗の根を傷めないように、除去する2本の株は地際で根元からハサミで切り取るようにしましょう。

3.追肥・土寄せ・かん水

草丈40~50cmの頃と、雄花( 一番先端に咲く花)の開花時期に1株当たり20g程度の化成肥料を施します( マルチを敷いていない場合は、同時に土を株元に寄せます)。

また、開花から収穫期までの水不足は不稔(果実の先端まで実が入らない)の原因となるため、かん水を適宜行います。

4.雌穂の整理と収穫

早生種の場合は草勢が弱いため、1株1本取りが基本です。雌穂は1株に2~3本つくので、一番生育の良いものを残し、他は少し大きくなった頃にかき取ればヤングコーンとして食することができます。これまた美味です(ただし、草勢の強い中早生種以降は雌花を2本ほど残しても果実の充実に影響なく、この限りではありません)。

雌花の絹糸が出てから23~25日経って、絹糸が黒褐色に変色したら少し皮をむき、先端の粒が膨らんで黄色くなっていたら収穫適期です。夏を感じる食感と甘味を、ぜひお子様・お孫様と一緒に味わってみてください。