「エンドウ」の栽培について
Vol.151
今月は、春を告げる野菜の代表格で、家庭菜園の人気品目である「エンドウ」の栽培についてご紹介します。
(企画営農課 主任 堀井 俊輔)
栽培特性
- 連作障害に弱い代表的な作物です。少なくとも3~4年以上は、エンドウを栽培したことがない場所を選定しましょう。
- 酸性土壌に弱いので、土づくりが成功のポイントです。必ず、石灰分を施用しましょう。
- 早くまき過ぎると大きい苗で越冬することになり、寒さに対して弱くなります。品種や地域ごとの種まき適期を守りましょう。
1.ほ場準備・種まき
種まきの2週間前には、ほ場準備を始めます。
1m2当たり堆肥2kg、苦土石灰150g、BMようりん70g、化成肥料80gを目安に施用します。
よく耕した後、幅80~100cmの畝を立て、株間30cmで2~3粒を直まきします。
覆土は2~3cmとします。移植栽培の場合は、本葉2~3枚の頃を目安にほ場に定植します。
2.間引き・追肥
草丈が7~8cm弱になった頃に、混んでいるところや育ちの悪いものを間引いて1か所2株にします。
エンドウは小苗の方が寒さに強いので、草丈10cm程度で越冬させます。防寒対策は種々ありますが、株元に一にぎり程度のもみがらを施す方法がおすすめです。
もみがらがない場合は切りワラでも良いでしょう。防寒と分枝抑制の効果が期待できます。
3月に入れば追肥の時期です。1m2当たり化成肥料20gを目安に施用します。
ただし、施肥する位置はエンドウの株際から始め、その後の生長にあわせて徐々に遠くにしていきます。
3.誘引・整枝
親づる、または子づるを1本ないし2本に仕立てます。親づるを摘芯する場合は、3月下旬を目安に行います。
株が小さな頃は霜にも強いですが、草丈が30cmを超えるようになると遅霜の影響で「芯止まり」の心配があります。遅霜の心配がなくなる時期を最終とし、4月上旬から段階的に整枝をすすめます。最終的に誘引した子づるが10~15cm間隔になるよう仕立てます。
- 低節位の太い子づるを3~4本残し、伸ばします。
- ( 4月上旬)残した子づるのうちで、低節位の太い子づる1~2本を誘引します。残りの1~2本は予備で取っておきます。
- ( 5月上旬)最終的には誘引した子づる以外の側枝は間引きます。( 左図:×印)
- 誘引した子づるが霜害や病虫害にあった場合は予備の子づるを誘引します。
4.収穫
品種により適期が異なりますので、下記を参考にしてください。春の訪れを感じる逸品です。