「伏見とうがらし」の栽培について
Vol.145
今回は京の伝統野菜で辛味がなく、
煮ても焼いてもおいしい「伏見とうがらし」について紹介します。
(企画営農課 係長 杉本 重喜)
容器栽培の利点
- 高温性で育苗時から定植後にかけて低温に遭うと育ちが悪くなるので、十分に暖かくなってから植え付けます。
- 夏の暑さには強く、霜が降るまで収穫できます。
- 枝が細いため風には弱く、果実がたくさん付くと枝折れしやすいので、支柱を立て誘引します。
【1】畑の準備
保水性に富み、排水が良い畑を選び、植え付けの半月前ぐらいに1m2当たり良質の完熟堆肥1kg、苦土石灰100gを土とよく混和します。畝は高畝とし、植え付けの1週間前に化成肥料100gと油粕100gを施し、土と混和します。
【2】植え付け
植え付けの2~3日前から畝に十分水をやり、マルチを畝の全面に覆って、土を温めておきます。
マルチにかみそりで十文字の切り目を入れ、切り目を開いて苗を植え付けます。
5月上旬頃までは霜の危険があるため、苗帽子等を被覆して被害を防ぎます。
【3】支柱立て・誘引
とうがらしは、枝が弱く風で折れたり、倒れたりしやすいので、植え付け後速やかに仮支柱を立てます。
仕立て方は、V字仕立てや3本仕立て等がありますが、1本仕立てが最も簡単です。V字に分かれる枝より下の方から出る芽はすべてかき取ります。
苗1本ごとに支柱を立て、最も伸びた枝を固定していきます。茎が太れるようにゆとりをもたせて8の字にしばります。
支柱から左右に伸びて折れそうな枝は、ひもで誘引します。
【4】追肥
1回目:花が盛んに咲き始めた頃、油粕を1本に30g、マルチの穴に施します。
2回目:収穫初めの時期に、1回目と同じように施します。
3回目以降:2回目から半月おきを目安に、マルチをめくって、畝の肩に油粕を1本に30g施します( 片側ずつ)。
【5】管理・収穫
収穫最盛期には水分を多く必要としますが、畝間に水がたまると病気になりやすいので注意してください。たくさん実が付き過ぎると、木が弱ってしまうので、早めに収穫するようにします。