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京の産品図鑑

干ししいたけ

2007年03月 Vol.60


通年

  • 生しいたけ(原木)は12月~4月

生産者の声

これからも原木しいたけを守り、栽培していきます

他の野菜と一番違う点は、栽培期間の長さではないでしょうか。しいたけはホダ木となるナラやシダ、クヌギを山から切り出し、植菌、伏せ込み、ホダ場作りを経て、約2年後に初めて収穫できるんです。当然、その間には次年度に向けて同様の作業を行うので、本当に根気のいる仕事です。通常は3月中旬~4月中旬が収穫の最盛期ですが、今年は例年になく暖冬なため菌の生長も早く、収量も期待できると思います。

しいたけが顔を出し始めたら注意していることが、雨露除けです。濡れると表面が黒くなり商品価値も落ちてしまうため、シートを被せていきます。3万本のホダ木になるしいたけ一つずつに被せる作業なので大変ですが、立派に生長してくれたしいたけは厚みがあって香りも良く、”山のアワビ”と言われるように食感も抜群ですよ。

干ししいたけは乾燥時間や温度を、収穫時の厚みや形、水分の量によって調整しています。目安の一つとしては雨子(※1)はスタート時が40度、日和子(※2)が50度で、約24時間かけてじっくりと乾燥させ、仕上がり時には55~60度に設定します。こうしん、どんこがあり、その中にも形状によって十数種類規格の呼び名がいろいろある干ししいたけは、エキスが凝縮されており、生とは一味違った甘みを楽しむことが出来ます。

一時は安い中国産に押されましたが、今は皆さんが少々高くても安全・安心な国産しいたけを選んで購入してくれます。菌床しいたけが主流になっていますが、やっぱり昔ながらの原木しいたけは味が違う!ので、これからもきばってやっていきたいと思います。

(※1)…水分を多く含んだ生しいたけ
(※2)…比較的乾燥している生しいたけ

収穫までの流れ 干ししいたけ瑞穂支店・原木栽培の場合

11月 根切り(植菌用の木の準備)
12月 玉切り(植菌用の木を1mごとに切る)
3月? 植菌
5月 伏せ込み
10月 ホダ木おろし(ホダ場へ移動)
11月 ホダ木立て
12月? 収穫

生産地の紹介

新規生産者の確保と、安全・安心な栽培を推進する

昭和50年に原木しいたけの栽培が始まり、その後の生産者の増大を受け、昭和56年にシイタケ部会が発足しました。現在の規模は生産者3人、栽培本数約7万本、平成17年度の出荷量は干ししいたけ1414キロ、部会販売高は450万円でした。一時期の中国産の台頭(※)、さらに現在の菌床しいたけの台頭を受けて、原木しいたけ産地である瑞穂では年々生産量が減少しているのが現状です。JA京都瑞穂支店ではその対策として、植菌講習会の実施などを通して新規生産者の確保に努めるとともに、新たな販売方法を検討しています。

  • …現在は、中国産しいたけの輸入は行われていません。

伴みずほ先生の干ししいたけのココがすごい!


伴 みずほ
京都短期大学講師
(管理栄養士)

干ししいたけは昔から様々な料理に欠かせない素材のひとつ、生では味わえない美味しさは風味と旨味です。乾燥させることで生まれる香気成分は、乾燥過程や水戻し中、調理時に生成されます。旨味はグルタミン酸(アミノ酸)としいたけ特有のグアニル酸です。水戻し後の加熱調理によりグアニル酸は増加します。主な栄養成分は炭水化物とタンパク質で、無機質やビタミン類の含有量も生を上回ります。野菜と比べてビタミンB群は高含有、野菜に含まれないビタミンDは、しいたけのエルゴステロールが紫外線に当たり変化したもので、食べる前に30分ほど日光に当てるとさらにDが増加します。骨作りには適度な運動とカルシウムの多い食品、そして日光浴した干ししいたけがおすすめです!

主な成分比較(野菜100gあたり)
  干ししいたけ 生しいたけ ホンシメジ(生) みず菜
カルシウム 10mg 3mg 2mg 210mg
1.7mg 0.3mg 1.1mg 2.1mg
ビタミンD 16.8μg 2.1μg 4.0μg 0
ビタミンB1 0.50mg 0.10mg 0.08mg 0.08mg
ビタミンB2 1.40mg 0.19mg 0.50mg 0.15mg
ビタミンC 0 10mg Tr 55mg
  • 五訂増補 日本食品標準成分表 参照
    Tr=0ではないが微量

おすすめの一品

福知山市ヒロコクッキングスクールさん直伝
干ししいたけと手羽先のピリ辛煮付け

  • 材料(4人分)
    • 干ししいたけ 小8枚
    • 鶏手羽先 12本
    • こんにゃく 1枚
    • ニンジン 1/2本
    • キヌサヤ 適量
    • ニンニク 1片(すりおろし)
    • ショウガ 10gほど(すりおろし)
    • ごま油 少々
    • A(水1カップ強、
    • かつおぶし一握りを紙パックに)
    • B(酒大さじ2~3、オイスターソース大さじ2、
    • 濃口しょう油大さじ2、さとう大さじ1)
    • C コチュジャン大さじ1
    • D(手羽先の先を切り、紙パックなどに入れる)
  • 作り方
    1. 干ししいたけを浸せるくらいの水に漬け、冷蔵庫で一晩置いてもどし、石づきを取っておく。
    2. 手羽先自体は分量外の濃口しょう油を少々からませておく。
    3. こんにゃくは5~7?の厚さに切り、3本の切り込みを入れてねじり、さっと茹でてアクを抜く。キヌサヤも茹でて筋を取っておく。ニンジンは梅型で抜いて2?の厚さに切っておく。
    4. フライパンを熱し、ごま油を少々入れて手羽先を焼き、圧力鍋に入れる。干ししいたけ、こんにゃく、Dを足してAとBを加え、沸騰すればアクを取り、ふたをセットして強火にかける。加圧後、弱火で5分炊く(普通鍋の場合は水3カップを注ぎ、30~40分かけてゆっくり煮込む)。
    5. 火を止めて10分ほどたてばふたを取り、Dを取り出す。ニンジン、ニンニク、ショウガ、Cを加え、強火で照りが出るまで煮詰める。または様子を見て水溶き片栗粉で濃度をつけて仕上げるのもよい。

ひとくちメモ
干ししいたけは食物繊維がたっぷりです。ビタミンD、B群も豊富で、時間をかけ低温でゆっくりもどすと、驚くほどうま味(グアニル酸)が増します。また、かつおぶしとともに使うと相乗効果でさらにおいしくなります。そして、体を温めるデトックス効果もあり、毎日食べたい食品です。圧力鍋で煮込むと短時間で軟らかくなり、コラーゲンもしっかり取れます。たけのこやごぼう、レンコンなどつぶれにくい野菜をプラスすると良いでしょう。

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