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いきいき菜園生活

間引き・中耕・土寄せの重要性について

2015年10月 Vol.163

堀井 俊輔

朝晩が過ごしやすくなり、“味覚の秋”の訪れを感じる季節がやってきました。

気温の低下とともに夏野菜は終盤を迎え、いよいよ秋冬野菜の出番です。

(企画営農課 主任 堀井 俊輔)

今月は、秋冬野菜をつくるうえでの基本管理について紹介します。

一見して当たり前の栽培管理ですが、生育期間が長い秋冬野菜にとっては重要なポイントになります。

栽培管理(1) 間引き

密生した苗を、少数残して抜き取る管理を「間引き」といいます。

生育の遅いものや徒長しているもの、葉の形がいびつなものなどを抜き取ります。
この作業を怠ると、日光不足や風通しの悪さで苗が徒長して順調な生育が望めなくなります。

間引きのタイミング

一度に間引いて1本立ちにすると、その後の障害で欠株になることがあるので、通常2~3回に分けて行います。間引きは土の湿っているときが良く、終わったら土寄せして下部を固定させます。

間引きのしかた

間引くときに残す株を傷めないように、株元を押さえながら抜き取ります。小さい芽生えには、ピンセットなどを使いましょう。

栽培管理(2) 中耕

栽培中にうね間や株間の土の表面を浅く耕すことを「中耕」といいます。

この管理により、除草、土の通気性の改善、干ばつ対策の3つの大きな効果を得ることができます。干ばつ対策の理由は、下層からの水分が上昇してくる毛管現象を断つことで、下層の水分が保たれることにあります。ただし、中耕では根を切らないように注意が必要です。
また、同時に茎葉を傷つけないようにすることも病気予防に大切なことです。

栽培管理(3) 土寄せ

野菜の生長に併せて株元に土を寄せ集めることを「土寄せ」といいます。
多くの場合、中耕は追肥と土寄せを兼ねた管理作業になります。
土寄せは、周囲の土を株元に寄せることで株のふらつきを押さえ、雑草が生えるのを防ぐ効果があります。追肥後は施した肥料の上から土をかけ、土を株元に寄せて、肥料が流れ出るのを防ぎます。
ネギでは、徐々に土寄せを高くすることで軟白部を長くすることができますし、本紙2015年4月号で紹介したサトイモでは、土中に小イモ・孫イモが太るところを作ります。
ダイコンやニンジンでは根が露出して着色するのを防ぎ、寒害対策にもなります。

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