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農チャンネル

2018年04月 Vol.193

水田転作作物としてパン用小麦を栽培

福知山支店生産課


株式会社味歩里の牧晴喜社長

今年から始まる米政策の見直しを受け、転作作物として小麦の導入が進んでいます。福知山市の株式会社味歩里では、新品種「せときらら」の栽培を行っています。

「せときらら」を奨励品種に

消費者の国産志向を受け、小麦においても国産の需要が高まっています。パン・中華めん用小麦の作付面積は、この10年の間に3倍に増えました。

京都府では現在、パン用小麦として「ニシノカオリ」を推奨品種に採用していますが、より多収、高品質な品種として着目したのが「せときらら」です。この品種は、西日本農業研究センターが、日本めん用小麦「ふくほのか」から育成しました。

JA全農京都では、新たに始まる米政策を受けて、学校給食用パンとしての供給を念頭に、米と同様に広い農地を活用できる新しい品目として「せときらら」の導入を進めることにしました。そして、平成28年度産から福知山と亀岡で試作を実施してきました。

「福知山では、株式会社味歩里と牧 邦男さん、片岡美恵子さんが取り組んでいます」と福知山支店生産課の植村和久係長。その結果、適応性が認められたことから、昨年10月に府の推奨品種としての登録を申請。本年度中には承認される予定です。

6・4haで「せときらら」を栽培

福知山市牧の株式会社味歩里(代表取締役社長・牧晴喜、社員9人)は、平成19年1月、農業者の高齢化や若者の農業離れが進む下川口地域で、荒廃する農地をなくすために発足。約32haを管理し農作物の生産、加工販売、農作業の受託などを行っています(平成30年2月現在)。

「牧は昔から小麦の産地で、会社ができる前から栽培が盛んでした。ここでは小麦粉になる流通麦ではなく、大半が採種麦です。現在も約6・4ha栽培していますが、ほとんどが種用です。一昨年から「せときらら」を栽培していますが、良い種を供給できるようしっかり取り組みたいと思います」と牧社長は話します。

パンよう小麦「せときらら」(流通麦)は、実需者が求める「ふっくらしたパン」を作るためにタンパク質含量を高めなければなりません。そのために、①実肥をしっかり施用する(タンパク質含量目標12%)、②排水対策をしっかり行う、③赤かび病防除は2回行う、などが栽培時の必要な作業です。

JAはより多くの情報を提供

「『せときらら』」が推奨品種になれば、より多くの情報提供と、きめ細かな営農指導により、収量と品質の安定に努めていくと同時に、栽培面積の拡大も図っていきたい。また、これも含め今年から始まる新たな米政策についても、農業者と共に対策を講じていきたい」と植村係長。牧社長は「会社としては、水稲、小麦、小豆を軸に経営をしていきたいと思っていますが、地域にはそれ以外にも、栗、柿、柑橘類など、いろんな品目があります。そうしたものも生かしながら、地域の人間が信念を持って地域を守っていく、そういう気持ちで進んでいきたい」と話します。


3月中旬の新品種「せときらら」

福知山支店生産課
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