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農チャンネル

2017年03月 Vol.180

多品目栽培で 経営の安定化

日吉支店生産課


花き部会日吉支部の支部長を務める前田利治さん。先代から受け継いだほ場で花木を収穫します。

南丹市日吉町上胡麻の前田利治さん(50)は、昔から続く花木の栽培に加え、新たに京壬生菜、京かんざしなどの品目を取り入れ、農業所得の安定を目指しています。

花木の町、日吉

四季がはっきりしていて、一日の寒暖差が大きい南丹市日吉町では、昔から各家で観賞用など花木の栽培が盛んに行われてきました。その土地柄を生かし昭和58年に花木団地事業が実施され、町内各所に花木団地が開かれました。その後61年には中山間地域育成事業として取り組まれ、トルコキキョウ、アスター、シキミ、コデマリ、レンギョウ、ナンテンなどを出荷。花木の町として知られるようになりました。

南丹市日吉町上胡麻の前田利治さんは、父の代から続く農家の2代目。6年前に勤めを辞め、家業を継ぎました。「父と母が花木の栽培をしており、いつかはやりたいと思っていました。高齢となった母が辞めることを考えるようになり、それなら私が、と戻ることにしました」と話します。

野菜と花木をうまく組み合わせる

前田さんが戻った時、家では花木とシュンギクを作っていました。しかし花木は最盛期のような勢いはありませんでした。そこで前田さんは農業経営を見直します。

「花木の管理は、草刈りと消毒ぐらいで手間がかかりません。それに野菜と違って出荷がコントロールできます。そこに野菜、それも市場競争力のあるブランド京野菜をうまく組み合わせていけば、所得の安定が図れる」と考えた前田さんは、それまで栽培していたシュンギクを「京壬生菜」に品目転換しました。京壬生菜は平成3年度に「京のブランド産品」に認定されて以来、日吉町では地域活性化の起爆剤として、生産拡大と販路拡大に努めてきた品目で、年間を通して6回収穫する事ができます。さらに3年前からは、「京かんざし」の栽培も始めました。

農家の所得向上を第一に

イメージ
実証実験で収穫した小豆の比較

前田さんは、平成25年から26年にかけて、JA京都花き部会の部会長を務め、現在は同部会日吉支部の支部長を務めるなど、花木栽培にも熱心で、産地再生の取り組みも積極的に進めています。

その一つが、リンドウ、オミナエシ、ホオズキ、サンダーソニアなど、新しい品種の導入です。これらの中には、旧日吉町農協の特産だったものの、生産者の高齢化などで消滅しそうになっていたものも含まれています。「それをJA京都管内全体で栽培することを考え、『京都の花』として出荷できることが合併でエリアが広くなった大きなメリット」と前田さんは話します。

そして二つ目が、JAを通して市場へ出荷するだけではなく、卸業者、小売業者などから直接くるオーダーリクエストにも応えていくなど、「市場ニーズを反映した品目選びと効率的な栽培計画が大切」(前田さん)と言います。

「JAとしては、生産を後押しすると同時に、積極的に販売を行うなど、農家の所得向上を第一に考え、さまざまな取り組みを進めていきたいと思います」と日吉支店生産課の待田浩行係長は話します。


日吉支店生産課
〒629-0301
南丹市日吉町保野田田中31-3
TEL.0771-72-0120

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